二律背反

 明日、それでも初詣に行こうとする人はいったいどれぐらいいるのだろうか。

 もちろん、このような時だからこそ神仏に詣でて祈願したい、という気持ちも分かる。痛いほど分かるけども、結局それは感染リスクを自ら上げる行為に他ならない。

 最近の風潮で腹立たしいのは「感染症対策をきちんとしているから大丈夫(文句を言われる筋合いはない)」という言動が(特に政治家に)目立ってきたことだ。勘違いしないでもらいたい。マスク装着やソーシャルディスタンスは感染リスクを軽減することはあってもなくなることは決してない。まして現在のような市中感染が蔓延している時には、大丈夫なんてことは絶対にあり得ないのだ。
 ちなみにマスク装着は確かに有効な手段だが、それは全員もれなくマスクをしている時に限られる。もし100人中99人がマスクを装着していても、残りひとりがマスクをしていず、その人が(無症状でも)感染していた場合、99人のマスクの効果はほとんど無に帰するのだ。

 初詣に行きたい気持ちは心情的には分かるが、どのような理由であれ、現在人混みの中に出歩くのは合理的ではなく、この2つは相反して並び立たない。「感染症対策」云々は、結局の所言い訳でしかないのだ。