さようなら、ノムさん

「就職お願いします!」 今から10年余り前、楽天がクライマックスシリーズのファイナルステージで敗退し初の日本シリーズ進出の希望を断たれた試合直後のインタビューで野村監督(当時)は第一声にこう言い放った。辞める気なんかさらさらないぞ、と言わんばか…

ドイツクラリネットの"音"の変遷

ウルフ ローデンホイザー・ザビーネ マイヤー・アロイス ブラントホーファー。 この3人の名前を並べて「ははぁ」と思う人は…まずいないと思うけども、もしいたとしたら嬉しい。この3人は、1970年代から90年代初頭にかけて、カラヤン時代のベルリンフィル後…

史上空前のM-1

お笑いは好きでよく観ているが、その中でも特に楽しみにしているのは毎年12月に行われているM-1グランプリ(TV朝日)だ。この成功を受けて各局が次々とR-1グランプリ(フジTV)・キングオブコント(TBS)・The W(日本TV)といった年1回のお笑い大…

木管五重奏随想

「もしハイドンが弦楽四重奏にかけた労力の10分の1でいい、木管五重奏のために割いていてくれたら…」こんな歴史のifを何度思ったことだろう。 定期的に木管アンサンブルをやり始めて気がつくと早10数年。演奏会が終わって「次は何やるか」を考える度に、木…

哀悼 吾妻ひでお

「えっ…」 その訃報を知った時、仕事中にもかかわらず、しばらく意識が遠のいてしまった。 まさか…。いや、到底長生きができないような身体だというのは承知していたが、ほんの少し前に「不条理日記 完全版」(復刊ドットコム)を入手して往年の大傑作を改めて…

「芸能人格付けチェック」 音楽編考

「芸能人格付けチェック」(TV朝日)。実はこの番組、ここ数年元日の楽しみになっている。毎回出される問題はすべて2択(稀にに3択)で、すべて「どっちが高いか」のシンプルなもの。しかしその見極めは難しい。いつもよくTVに出てくる芸能人だって、もち…

今日のトランプ

「あんたんとこの、ほら、グリーンランド。えらいいいとこでんなぁ。ごっつ気に入りましたわ。そこでひとつ相談なんやけど、あれ、アメリカに譲ってもらえまへんか?」「――」「あ、いや。もちろんただでとは言わん。ここはひとつ、言い値で結構。なんぼや? …

なんで京アニが…。

ただひたすら、強い憤りを感じずにはいられない。 僕にとって京都アニメーションと言えば「響け!ユーフォニアム」を制作した会社、という認識なのだが(その後再放送された「けいおん!」を観たぐらい)、非常に緻密で丁寧に作りこまれた高い完成度を常に維持…

"闇営業"そのものが問題な訳ではない

"闇営業"と言う言葉が日本中を駆け回っている。 もちろん吉本興業所属の一部芸人が、事務所を通さない、所謂"闇営業"で反社会的勢力の会合に出演して報酬を得、それにより解雇または謹慎処分を受けた件についてだが、あまりにこの言葉が独り歩きして使われま…

「号外」症候群 ~"おたく"試論

"平成"が終わった。 生まれてから成人するまでどっぷり昭和に浸かっていた世代としては、先の改元時、平成という語感になかなか馴染めずに居心地の悪さを感じていたものだが、あれから30年、気がつくと自分にとって昭和よりも長い時間を過ごしており、いつし…

モンキー パンチ氏を悼む

びっくりした。 モンキー パンチ氏の訃報を聞いて最初にしたリアクションがこれだった。もちろん既にかなりの高齢であり、最近は作品を発表することもめっきりなくなっていた事は認識していたのですが、たまたま現在「週刊漫画アクション」創刊期を描いたド…

手塚治虫は死なず!

元号が平成に変わったばかりの2月10日、なにげなく朝刊を開いた途端憶えのない衝撃が走った。 手塚治虫死す! その訃報が目に飛び込んできた時の感興はなんとも言い難い。ただなんというか、生まれてこのかたいつも必ずあったはずの精神的支柱がいきなり消…

特別な事は何も言えませんが…

イチローが現役引退することが遂に決定した。 もちろん昨年シーズン中の前代未聞の契約、さらに今年東京での開幕戦の出場決定という変則的な事象からこの事を予感する人は多かったろう。しかしイチローなら、そんな思惑を必ずや覆してくれるに違いない、そう…

或るニョーボの死まで~須賀原洋行『天国ニョーボ』

よしえサンが亡くなった――それを知った時の衝撃は今でも忘れられない。気がつくともうあれから5年以上の歳月が経っているというのに、なんだかついこの間のような気がしてしょうがないのだ。たとえ直接面識がなくとも、長年敬愛していた人の死は哀しいもの…

不遇な作品に突如訪れた僥倖~桜沢 鈴「義母と娘のブルース」

桜沢 鈴(さくらざわ りん)というマンガ家を知っている人はいったいどれぐらいいるんだろうか。 僕の中では、前に追悼記事を書いた三好 銀と並んで「誰も知らないかもしれないけど個人的には激押し」という位置づけの人だったんだけども、追っかけ続けている…

SNSの変遷

Facebookが苦境に陥っている。 原因は言うまでもなく今回の個人情報大量漏洩だけども、かつてはあれほど隆盛を誇ったFacebookも少し前から客離れが囁かれ始めており、なんかこれを機に一気にSNSの主流から転げ落ちるかもしれないという懸念を感じ始めた。…

点鬼簿2017

今年の初め、ふと逝去した有名人を書き留める、いわゆる点鬼簿を作ってみようと思い立った。 TVや新聞のニュースで「え!この人が…」と思う事は多い。しかし悲しいかな日々の出来事の中でそれは次第に埋もれていってしまう。終いには時間が経って「えーと…

「時代が追い付いた」人たち

「いずれ私の時代が来る」 これは19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した作曲家グスタフ マーラーが言ったとされる言葉。現在ではロマン派末期を代表する大作曲家として誰もが認める存在だけども、生前は指揮者としてこそ名を成したものの作曲家としては"や…

自分の顔に責任を持つ

「男は40を過ぎたら自分の顔に責任を持て」 これはリンカーンの有名な言葉。子供の頃、最初に聞いた時はいったい何を言っているのかとんと見当がつかなかった。 けど最近、ふとこの言葉を思い出してみたら、その言葉の重みがじわりと実感できて空恐ろしくな…

シューベルトの交響曲第9番ははたして「グレイト」か?

シューベルトの交響曲について7番と8番をこのブログで立て続けに取り上げたけども、やはりそうなると次には9番について触れないわけにはいかない、という気がしてきた。この曲についてもいろいろ思う事があるけども、それは今までとは違ってちょっと複雑…

底知れない音楽 ~シューベルト 交響曲第8番「未完成」

数か月前に新聞広告で知ったのだけど、昭和21年の2月に広島でシューベルトの「未完成」が演奏されたという記録が残っているのだそうだ。場所は焼け残った高校の講堂で、演奏者もどうやら寄せ集めだったようだが、あのおぞましい原爆投下からまだ半年しか経…

ネットの力と「魔法使いの弟子」

こんなニュースが流れてきた。○ネットの「善意」の盲点 九州豪雨で「タオル大量送付」が起きたワケhttps://www.j-cast.com/2017/07/12303051.html?p=all 事の発端は、今回の記録的な豪雨で九州中部で大きな被害が出たが、被災地の一つである日田市の女性が自…

シューベルトの交響曲第7番、は…

先日、所属しているアマオケでシューベルトの「未完成」交響曲を演奏したのだが、チラシやプログラムにその番号が「第7番」と書かれているのを見る度に、心の片隅に違和感を覚えるのがどうしても避けられなかった。 ある年齢以上の人ならば分かるだろうけど…

「Freude」の終焉

「Freude」のページが遂にアクセスできなくなった…。 アマチュアオーケストラ活動をしている人でこのサイトを知らない人はいないのではないだろうか。 僕自身、今までどれほどお世話になったことだろう。基本的にアマオケのリンク集および演奏会情報・団員募…

レジェールリード 不都合な真実

これまで4回に渡って自分がレジェールリードを使ってみた経緯や雑感を書いてきたが、前回「レジェールリードと合理主義」でけっこうレジェール万歳的なニュアンスだったので、これで終わってしまうのもなにかと思い、最後にレジェールリードについて気付い…

レジェールリードと合理主義

年明けに並クラもレジェールに移行して4か月。バスクラはもう1年余り前からレジェールにしていたけども、やはり並クラでも使っていると自分がレジェール使いになったんだという気持ちが強くなってきたのを感じる。 それと共に、吹き方全般いろんなことが、…

レジェールリード右往左往

前回、並クラでのレジェール使用をきっぱりあきらめた所(「リードが"へたる"とはどういうことか?」を書いたのもこの頃)まで書いたが、不思議なもので、そうなってみたらまた思いもかけない方面からレジェールに関しする出会いがあった。ちょっとわき道にそ…

レジェールリード七転八倒

レジェールリードに関してかなり長い事懐疑的だったことは前回も述べたけど、バスクラで非常に好感触だったこともあってその認識が一変した。その後バスクラをレジェールで何度も吹き、本番も経験するうちに、慣れてきたこともあるのだろうが、その音色や抵…

レジェールリード狂騒曲

レジェールリードの存在を知ったのはもうかれこれ10年以上前になるだろうか。確か最初にその実物に接したのは2005年夏にパルテノン多摩で開催された国際クラリネットフェスティヴァルでのことだった。この時には国内外の著名なクラリネット奏者が多摩に集結…

「俺を誰だと思っているんだ」

その言葉を発した時点で、その人は既に自らのプライドに凝り固まってまわりが見えなくなっている。